医者といっても、医療機関にはいろいろなものがあります。小規模ないわゆる町医者の病院と、大規模な総合病院では役割は当然違ってきます。そうした医療機関を大きく分けると、「診療所」と「病院」になります。
診療所とはベッド数が19床以下のものを指します。いわゆる町医者やAGAクリニックなど、比較的規模の小さい医療機関がここに分類されます。入院設備を備えているものと備えていないものがありますが、備えているところでも基本的に48時間までの対応となっています。
これに対して病院は、ベッド数が20床以上のものです。ただ、病院といってもピンキリで、町医者に毛が生えたレベルの開業医もあれば、大規模な総合病院もあります。いずれにしても長期入院が可能な態勢になっているのが診療所との大きな違いのひとつです。
例えば風邪をひいて熱があるというときに、わざわざ総合病院まで行く人は少ないのではないでしょうか。そうした場合、診療所にかかるケースが大半です。診療所は規模こそ小さいですが、地域に密着し、患者の体調を十分に把握しておくことができるのがメリットです。場合によっては病院に行くのが難しい人のため、在宅医療のサポートを行うこともあります。ただ、規模が小さいわけですから、極めて高度な医療行為を行うことは難しいです。
こうした診療所の欠点を補っているのが「病診連携」で、診療所だけでは対応が難しいと判断した場合、総合病院にバトンを渡すというものです。こうすることにより、必要以上に総合病院に患者が集中することを抑えられますし、かかりつけ医が普段から患者の体調を把握していますので、そこからの紹介であれば全くのゼロではない状態から医療行為が行えるというメリットもあります。
これに対して病院は、より高度な医療を行うものです。診療所では対応ができない患者を引き受けて手術を行ったり、長期の入院治療を行ったりするなど診療所のバックアップ的な役割が中心となってきます。ただ、それだけに患者の体調を細かく把握できていないという問題点が生じますが、そこを上記の「病診連携」によって補っているのが実情です。ちなみに上にも書きましたが、病院についてもいろいろなものがあります。
例えば大規模な総合病院の中には、特定の疾患や医療行為に対して拠点となっているところもあります。重度の救急患者に対応する救急救命センター、がんやエイズの拠点病院、多胎などハイリスク妊婦のフォローを行う地域周産期母子医療センターなどがこれに当たります。そうした専門分野については、より信頼できる病院だといっていいかもしれません。このように医療機関にはいろいろなものがあります。地域に密着した医療に関りたいか、より専門的な現場で働きたいか。それはあなたが決めることです。
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